マーケティング」戦略としてのオープンソース

昨日sdforum(www.sdforum.org)のマーケティング・ミーティングSIGの「マーケティング戦略としてのオープンソース」に参加してきた。sdforumにはオープンソースの分科会もあるんだけれど、9月はどういう分けか開催されず、代わりにマーケティングのSIGでオープンソースのネタが議論された。3人ばかりパネルという形で開催されたんだが、正直なところXensourceのVP MarketingのJohn Baraが出るので見に行った。何か面白いことを言うかと思って。

他の2人が気の毒なくらい彼への質問が集中したが、彼の発言で面白いところだけをまとめてみる。

Q: $500Mというのは破格の値段だが?
A: JBossの買収値段は$350Mだったし、$500Mは決して高くない。オープンソースがメインストリームへの進出ということだろう。(ZKコメント: JBossは$350Mのほか、以後の売り上げ等と加味して更に$50M-$70Mの追加があったはず。それを加えると限りなく$500Mに近づく?ところで、JohnはXensourceとの関わりは18ヶ月とか。)

Q: オープンソースとクローズドソースの違いは?
A: 以前はクローズドソースの会社でsales/marketingをやっていたが、数十人の営業マンを雇いリストを買ってcold calling で電話を掛けて、セールスが設立するのは12-18ヶ月だった。Xensourceでオープンソースにして提供すると、何もせずとも営業が成立した。sales/marketingという点では全く違う。

Q: 成功した理由は(これはJohn自身が発表したもの。質問に答えたわけではない。)
A:

1.良く知られた分野でオープンソースを始める。例えばLinuxやDB。仮想化技術は理想的だった。
(ZKコメント:現在のOSSの浸透度はインフラと一部のアプリ(例:SugarCRM)に限られており、Verticalは殆どなし。)
2.既に業界に800ポンドのゴリラがいること。このゴリラと戦うというイメージは受ける。(ZKコメント:Johnの最初の言葉はPalo Alto(PA)のanother virtualizationの会社ですというもの。VMwarePAにある。)
3.他の分野や著名な会社を巻き込む。これにはLinux関連のRHやNovellIntelAMDを指す。更にIBMやHPやその他の会社も開発に関係。
4.EMOEMISMFとは(enemy of enemy is my friendの略)敵であるVMwareの敵はMSということで。。。MSと仲良く。ストレッジではSymantecと結び、VMwareの親会社はEMCでここでバッティング。全てうまく敵味方の関係が決まっている。
5.イノベーション:素早く動くこと。VMwareが一年に一回程度しかリリースしないのにXensourceはrelease early, release oftenでユーザーからの反応が良い。これは他のパネリストも同感。
6.ブランドは大切。去年の4月にVirtual IronがXenのブランドを不法使用とした。これを振り払い以後はXenブランドを死守。

A: Exitはこれだけだったか?
Q: このまま行けば、来年は$20M-$30Mは行っただろう。そうなって来ると、IPOも目の前となる。結局どのExitを取るかはその都度の判断だった。

A: Citrixとの関係は何時から?
Q: 約一年くらい前にCitrixのCEOがシリコンバレーで一時間ばかり、時間を潰す必要があり、共通の知り合いのVCの紹介でCEOがやって来た。1時間が半日になって熱心に仮想化の話を聞いて言った。その後最近になって買収の話がやってきた。

A: これもJohn自らの話で質問ではない。彼自らの発言
Q: 2人のファンダーIan PrattとSimon Crosby全く対称的で、Ianを一言で言うと、Mr. Nice GuyでSimonはもっと積極的なタイプだ。この2人の対称性がうまく機能している。