危うし既存のソフトベンダー、オープンソースからの脅威

MySQL KKの社長のLarry Stefonicから転送されてきた記事は現在北米でオープンソースがどのように見られているか、また既存のソフトベンダーがオープンソースからの脅威をあまり感じていないことで、将来このオープンソースの傾向を取り入れられないベンダーは立ち行かなくなると書いている。ちなみにMySQLに対して3年半に渡り日本進出コンサルをして、辞めてからもFriend of MySQLとしてextended communityとして協力できるところはしている。

この記事はhttp://www.sandhill.com/opinion/editorial.php?id=157&page=1で読める。
逐語翻訳はしないが、以下は最近のSaugatuck社の調べを基にしている。要約すると。。。。

  • 2007年のエンタープライズで使用されるソフトの15%はオープンソースで、2010年にはその比率が20%に上昇する。まだ、オープンソースが既存のソフトベンダーの牙城を崩すというところまでは行ってないが、迫っている。。
  • オープンソースの影響は既存の商業ベンダーが思っているよりも大きい。知らないのは既存ベンダーばかり。毎日見る自分の顔で、頭の白髪は気づきにくい。しかし、去年の暮れにあった親戚に一年後また会うと向こうは白髪が増えたと驚く。そんなもんだと。。。
  • Saugatuck社の調べでは200名からのアンケートによると25%の人は新しいソフトの導入の際は必ずオープンソースを考慮し、40%はよく選定の枠に入れると回答している。50%は既に自分の会社で導入して使用していると回答し、60%はオープンソースエンタープライズへの重要性を認めている。既存ソフトのベンダーはこの傾向に気づいていないことが多い。
  • オープンソースの利点は、安価、変更可能、特定ベンダーに左右されないこと。既存のべンダーは最初の点ばかりみてオープンソースの市場があるのかと思っている。この3つを含めないとオープンソースからの挑戦に勝ち残れない。
  • その他コミュニティと連帯するビジネスモデルも追加することが非常に重要。コミュニティは、1)開発の時間とコストの削減、2)多くのコミュニティの参加者によるテストで、信頼性向上、3)多くのバックグランドの人からのインプットで、更に品質向上。という恩恵をもたらす。コミュニティの影響は重要なソフトをコモディティにすることに一番顕著に見れる。これはMySQLSQLのDBをコモディティにしたことでも良くわかる。MySQLOracleを決して敵とは呼ばないが、少しづつではあるが、Oracleの牙城を侵食し始めている。
  • オープンソースの波に乗れなかった会社の衰退。例としてBEAはweb application server の分野でApacheにやられ、また方向を変えたMiddlewareでもJBossなどに追撃されシェアーを減らした。オープンソースの戦略を取り入れ、コミュニティと一緒にやっていれば、Oracleからの買収提案を受けるまで落ちぶれなかっただろうに。BEAに限らずIBMでさえWebSphereに色々な機能を追加して、オープンソースからの追撃をはらおうとしている。
  • Saugatuck社は将来はmixed source (既存のクローズドソースとオープンソースの混合体)になると予想。2つの方向。1)自前のソースにオープンソースを混在させる、2)自前のソースの一部をオープンソースとして開放する。最近あまり調子の良くないPalmPalmはハードを扱うPalmとソフトのPalmsoftに分割後、PalmSoftは日本のAccessに買収された)は自前のソフトをオープンソース化するため、Directorのレベルの人を雇うべく筆者の方に話もきたが、組み込みの分野でのオープンソフトというのはLinuxくらいしか思いつかないが。。。どちらの方向を取っても、IPやライセンスの問題が生じるが、それを解決する手間を掛けても将来のビジネスには役立つ。
  • 今直ぐにオープンソースがソフト業界を完全に牛耳るとは思えないが、以上の傾向は続き既存ベンダーも3年以内にオープンソースを考慮したビジネス戦略を立てないと消滅するとSaugatuck社は予想している。

という事は、CitrixによるXensourceの買収のようなことが今後も起こるということだろう。JBossの買収はRedhatというやはりオープンソースの会社によるものであるので、少し色合いが違う。当然Xenをどうやって今までの様にオープンソースとしての地位を保障していくことが大切で、今後どうなるか注目したい。Oracleオープンソースに限らず、その買収への食欲はたいしたもので、今後とも多くのオープンソースの会社が標的になるであろう。