Android/Gphoneの業界への影響

当初はアメリカでも日本でもGphoneの賞賛記事にあふれていたが、アメリカではこれが携帯電話業界にどういう影響を与えるのか、果たしてGphoneは業界を完全に変えてしまうのかという記事が出始めた。全てを読み考えるわけにはいかないが、かなり突っ込んだ解析をしている業界のアナリストの意見を紹介しながら、筆者の意見も述べる。

http://mobileopportunity.blogspot.com/ でRubicon ConsultingのMichael Maceのブログを元に話を進める。「筆者」とか「筆者が」言わない限りこれはMike Maceの意見である。ちなみに、Androidの宣伝ビデオはhttp://www.youtube.com/watch?v=6rYozIZOgDkでみることができる。まあ、これは宣伝だからあまり多くを読み取るとこはできない。

影響を論じる前にGoogleがOSの分野に進出した(しようとしている)ということが大きなニュースだと論じている。例えLinuxえを使用するにしても、そのままでは使えない、それなりの変更を加えなければなるまい。そういう意味では、OSの会社になることを宣言したという理解であろう。また、このブログで何回も出てくるが、今後の展開がGoogle次第だと何度も主張している。単にウエブのアプリを開発するのに比して、OSの開発・保守は決定的に違うと。。。

Mikeによる、Open Handset Alliaceの発表の要約は

1.Linuxベースのオープンソースだが、変更・追加・除去のコードは戻す必要なし。
2.アプリはGoogleが開発するが、それを搭載しても良いし、自前をアプリをバンドルしても良い。但しGoogleのをバンドルするとGoogleからコミッションをもらえるようだ。
3.有名会社が多数発表に名前を連ねているが、それ自体はたいしたことはない。しょっちゅうやる手だから。しかし、ハードの分野で3社(Samsung, Motorola, LG)は既にLinuxを搭載した電話を発売しているので問題はないが、興味深いことにHTCが名前を連ねているのはMSにとっては痛い。HTCはMSのOSを積極的に採用しているから。Operatorは世界中のキャリアが入っていてよい。筆者はVerizonやATTが入っていず、何故最近落ち目のSprintなのかと興味を持つ。ATTは競合のiphoneとの絡みでわかるが (Mikeの論旨を読むとこれは関係ないと言うことらしい)、何故SprintでVerizonでないのか。Sprintが落ち目だからGoogleと協業する必要が高いということだろうか。今日(11月12日)発表のAndroidのファウンダーのAndy Rubinのインタビューではiphoneは競合でないと分析し、特にATTとVerizonを招待しなかったわけではないと発言している。日本ではドコモとAUソフトバンクなし。
4.Android上のアプリはどれも同じセキュリティのレベル。現在多くのsmartphoneはアプリ毎に違ったアクセス・レベルを提供している。どうなるんだろうかとMike...筆者も変だと思う。
5.今日の発表(11月12日)ではAndoridは携帯電話に限らず、MID(Mobile Internet Device)に適応できるとのこと。

影響

MS:
MSのWindows Mobileのビジネスは当初MSが思っていたようには言っていない。tier-1の携帯電話製造社は乗ってこないので、アジアの小さな会社に照準を当ててきたが、どうもあまりうまく行っていない。そこへ持ってきて、この話である。Googleが成功すれば、Mobileだけでなく全てのCEにも影響が出る。MSは嬉しくない。。。。

Access:
自明のとおり、かなり苦しい戦いとなる。筆者も同意見

Symbian:
一概には言えない。Nokiaの動きに大きく左右されるだろう。Nokiaが使用し続ける限り、ビジネスは続く。ようやくSamsungMotorolaに認められてきた。そこへこの騒動でどちらもAndroid支持。日本ではSymbianが強いがここでもドコモとAUAndroid支持。ライセンス費は下げなくてはならなくなるだろう。Symbianの上にAndroidのアプリを移植するなどある得るだろうか。。。。それも可能性。。。

モバイルのアプリ開発者:
同じLinuxのプラットフォームでJavaベースのアプリであれば、今のような、Javaで書いても機器が違うと走らないということが減少する。

Apple/Blackberry/Palm:
に関しては、セグメントが違うので影響はあまりないと見ている。それはこのベンダー達はシステムを開発して販売するんで、ベースが違うと考えるからだ。筆者が見るこちらの報道ではGoogleのCEOがAppleのボードに座っているので、彼はボードから出るのかという話もあった。もし、その話が問題にもならなければ、Mikeの主張は正しいと思う。筆者はそれでも多少の影響はあると思うが、Mikeは屋台骨が揺らぐような影響はないと言ってると理解している。

一般の技術産業:
携帯電話で終わらず、他にも飛び火するだろう。スクリーンのあるもの全てに飛び火するだろう。

MikeはこのGoogleがちゃんとしたものを開発し、サポートした場合に限り上のようなことが起こると言っている。それと、MikeはこれはGoogleが作るOSのプラットフォームだと言っているので、確かに他の電話のように全部やるわけではない。あちこち、ちまたから聞こえてくる評価は18-24ヶ月経たないと本当にこれが成功したと言えるか分らないと。。。

Zeekay