モバイルLinux

5日の夕刻SdforumのMpbile IP SIG主催のミーティングに参加してきた。出し物はState of Linux on Mobile Devices. 最近のArc Chartのホワイトペーパーと言い、Linux Journalのa la mobileの記事といい、Linuxのモバイル装置への応用があちこちで述べられている。この日の朝キャリアのCorportate VCと意見交換をしてきた。キャリアさんはなかなか慎重に言葉を選び、色々なサブジェクトには断言を避けられた。Linuxへの移行という話では、Symbianとの2頭だてて行くという方向で、5年先にLinuxで固まってしまうという私の予想にはそうはならないという意見であった。

この様な、慎重な意見の後でのミーティングであったので、「Linuxはそうでもないか。。。。」と思って参加した。Mobile IP Sigはその名が示すとうり今後のコミュニケーションがIPになるという見込みからMobileに特化した技術の議論の場所である。約50名程度の参加があった。この手のミーティングがそうであるように、午後6時半から受付とネットワーク、で7時からほんちゃん。

この日はArc Chartに載っていた2社とOSDLが話をした。OSDLのほかはTrolltechPalmsource. 各社の発表を逐一取り上げて解説はしないが、全体としてのトーンについて述べる。(Trolltechはノルウエーの会社で、携帯などの開発環境を提供、Palmsourceは日本のAccessに買収され、現在はOSとその上の層を提供。)

3社とも市場データとなぜLinuxかという理由で統一されていて、Linuxであって欲しいと思う筆者も、なんか「Linuxの励まし会」のような気もした。大体市場データは2009年・2010年を想定しており、3社は異なった市場調査会社のデータを引いていた。細かいところは違うが大体、データが一致しており、もっともLinuxを標榜する各社自分の都合の良いデータをひいているのに決まっているが。

いくつかのデータは:

2009年までに世界の携帯電話の数は10億から26億台になり、Smart Phoneの成長は年毎に85%で、Smart PhoneにLinuxが採用される率は年率400%. 2010年には携帯電話の25%にはWi-Fiが付いている。2010年にはOSはSymbianLinux、MSでそれぞれ20数パーセントで残りの20数パーセントは他のOSとか。ODSLの発表ではどキャリアとハンドセットベンダーとの関係を示す表を提示した。もっと面白いのは元の情報が日本のImpressからでていることである。

他の面白い情報はMSの解を使うのはtier-2のベンダーであると。MSのブランドは上位3位以内で(IBMとExxonも)、tier-1のベンダーがMSを使うとブランドが食われてしまうので(ベンダーのブランドよりもMSの解と思われてしまう)使用しないとのこと。これがtier-2だとMSのブランドで売れるからである。

そのほかどうして、Linuxかという話も3社殆ど同じことを言っていた。

  1. ロイヤリティがない。安価である。(Nokiaは年間$100MをSymbianに払っている。Arc Chart)
  2. ベンダーロックインがない。symbianやMSに製品のコントロールをされない。
  3. 自由にパッチを当てたりして製品展開ができる。アーキテクチャがモジュール・ベースなので、必要なコンポーネントのみを展開できる。
  4. 既にEco systemが動いている。

これはしかし、LinuxやOSS一般に当てはまることで特にMobile Linuxに限ったことではないが。。。。
ところで、ではどうこれを料理するかというと、市場はこっちの方向に進むと思う人々が多くなれば、そっちの方向に進みやすい。サーバーでは良い試合をしているLinuxもデスクトップではまだまだMSに勝てない。しかし、携帯などの組み込みの分野ではMSと対等な試合をしている。ここにLinux陣営が期待するのも無理はない。MSの自らの成功でTier-1をひきつけられないのは面白い。今後4−5年の間はSymbianLinux、MSのトロイカで行くことは間違いない。全てをLinuxでというA la MobileやPalmsourceのいうようには直ぐにはならないであろう。むしろ、2つかそれ以上の環境を同時にサポートできる VirtualLogix (10月4日を参照)の解が益々脚光を浴びるのではないか。ここは買いだ。

Zeekay