Jaluna改めVirtulaLogix

Virtualizationが注目を集めている。もともと、Virtualizationはサーバーの利用率を上げるための手段であった。当然のことながら、現在はサーバーへの適用が主である。しかし、この技術は必ずデスクトップや小型組み込み式システム(家電タイプや携帯電話など)にも適用されるようになる。特に小型組み込み式システムへの応用が期待される。

リサーチをした限りでは、今のところフランスの2社のみが解をもっている。そのうちJalunaと会社は最近名前を変えてVirtualLogixとなった。この会社は面白い会社でもともとChorusというMicrokernelの会社で約15年前に設立された。それからSunにより買収され、そののちSunの製品方針と合わなくなり、スピンオフされた。その時にJalunaと名前を変えた。それだけではなく、コアのチームメンバーはChorusの時から変わっていないということだ。最近訪問したときはまだオフィースはサンホゼであったが最近Sunnyvaleに引越しをした。

彼らの解はArmのH/Wの上に仮想の層を置き2つまたはそれ以上のOSを同時にサポートする。それぞれのOS間のコミュニケーションはこの仮想化の層を介して行われる。確かに、2つ以上のOSも同時にサポートできるが、もともとは携帯電話にLinuxを投入する場合、一度にLinuxのみを展開するのには無理がある。つまり、他のRTOS上で稼動しているレガシー・アプリをLinuxに移植するのは煩雑であるし、場合によっては元のソースがないこともある。更にレガシーのアプリに必要なセキュリティやリアルタイムのサポートがLinuxにないことが多い。そのため、レガシーのRTOSLinuxを同時に同じプラットフォームで展開することで、レガシーをサポートしながら、rich OSであるLinuxも取り入れられる。これが最初のモチベーションであった。

2つのOSは全く同列に稼動しなくてもよく、RTOS側がセキュアーであった場合どのようにしてLinux側からのセキュリティの問題を排除するかと質問した。その場合はRTOSを主にしてLinux側を従にして、全てのLinux側からのアクセスをRTOS側で制御することで、セキュリティを確立できる。仮想化の層はせいぜい100KB程度の大きさで、最近の携帯電話であれば十分にサポートできる大きさである。

ビジネスモデルはこの仮想化の層をライセンスすることである。ミドルやアプリへの進出を聞いたが今の所そのようなプランはないとのことであった。15年間培ったOSとOSとのインタフェースの技術で勝負しており、今変えるのは得策でないのだろう。本拠はまだフランスにあり、そこでは約40名程度がフランスにアメリカには10名程度だそうだが、本拠をアメリカに移しつつある。

この会社はこれから伸びる可能性が大である。仮想化により2つかそれ以上のOSを同時に稼動させることのメリットは大きく、またLinuxを携帯電話に取り入れる最短の技術といえるだろう。もちろん、この技術は携帯電話だけでなく、セットトップ・ボックスのようなものにも適応が可能である。Linuxのセキュリティ強化やリアルタイム化が進んでいる。だからと言って、数年で全ての携帯電話のOSがLinuxになるとは信じられず、この技術のメリットは今後かなりの時間適用できると考える。

Zeekay