MVNOの話

期待を持って語られてきたMVNOは最近あまり調子が良くないようである。MVNOはネットワーク管理、請求、コンテンツ、セールスをどの程度するかによって必ずしも皆は同じスタンスではない。今日の報道では、Disneyが所持しているESPNMVNOが今年限りで終了とのことである。理由は会員が思うように伸びなかったということで。これによる損は$30Mとのこと。しかし、アナリストによれば、コンテンツを標榜したESPNは伸びずにサービスを主体にしたDisneyのMVNOは手堅く伸びているとのこと。最初に思ったよりはMVNOへの参入は困難なようである。

最近のMVNOの1つであるHelio (EarthlinkとST Telecomのジョイント・ベンチャー)のCEOのSky Dayton(EarthlinkのファウンダーでBoingoのファンダー)のインタビューを読んでいると、明らかに市場を研究して(5,000人をインタビューして、何人かへは一日中同行して、行動を逐一調査した)若い世代にターゲットを絞り,ボイスではなくデータを主体にして、SNSMySpace (12万人がhelioを介して使用)との連携もうまく機能しているとのことである。しかし、まだ立ち上げてから4ヶ月しか経っていないので、この時点で判断するのは困難であろう。Daytonは単にブランドがあるだけでは、MVNOは成功しないと述べている。彼によるとスタートアップの資金は$500Mあったとのことである。更に、販売チャネルも大きな問題だと述べている。来月からHelioの店が開店するそうだ。自前の店を持つことは経費が掛かり、得策ではないのではないかという質問に、実際に手を触れ説明を聞ける空間は是非とも必要で、今までも自前ではないが、特約店などを駆使して販売を展開してきて、それが強みの1つだと述べている。来月より、New York、San Diego, Santa Monicaと共に近郊のPalo Altoも入っており、一度尋ねてみたい。

実際どの程度の会員数があり、どの程度の損益なのかはどこも、あまりはっきりとした数字では発表していなが、Amp'dは成功していることを主張するために、幾つかの数字を発表している。会員数はビジネスを始めて8ヶ月で約5万人で現在毎月1万5千人ほど増加しており、この率は2万から2万5千人へと増加している。ARPUは$100に達しており、そのうち$30はデータサービスからだそうだ。ちなみに2002年に開始されたVirginの会員数は4百万に達しているそうだ。アナリストによれば、Amp'dの成功は無線電話でのビデオの配信の特徴を強調できたということだ。

MVNOの将来についてVirginの米国のCEOのDan Shulmanはせいぜい全体で2-4社のMVNOが生き残るだろうと推定している。この予想が正しいのかどうかは分からないが、ブランドだけでは成功できないことは明らかで、はっきりとした市場認識とその市場への特化したサービスとコンテンツを提供できないと将来はあまり明るくないようである。

ZeeKay