rpathというOSSの会社

ここのところ、ネットワークの話が多かったので、今日はOSSの話をしよう。

rpath (www.rpath.com) は2005年に元のRedHatのVP Engineering(Erik Troan)と北米営業担当VP(Billy Marshall)の2人によって創始された。現在はMarshall氏がCEOを勤める。

アプリケーション・ソフトを開発・販売する会社が直面する問題は、ソフトが走る環境(ソフトの下の層)である。これには様々なコンポーネントが含まれる。OS、ミドルウエア、様々なライブラリー、データベース、その他(例えば、スクリプトやユーティリティ)。それぞれの版やコンポーネント間の依存も大きな問題である。ソフトの環境が一定しなければ、そのつどソフトにパッチをあてたり、コンポーネント間の依存関係を維持しなければならいない。そうすると余計な手間がかかりアプリに集中できない。もっと簡単にいうと、アプリにその下でOSを含む必要なものひっつけてリリースすれば、ハードが一定(IA)であればソフトのアプライアンスを容易に製造でき、またバーチャル・マシンの上に提供すればバーチャル・アプライアンスが完成する。一言で言えば、Rpathは版管理の機能を持ったパッケージ機能を提供するということだ。ここで、また携帯電話の話に戻るが、携帯電話上でのソフトが垂直インテグレーション化しているという話に通じるところがある。ソフトを上はアプリから下はOSまで垂直にインテグレートしてしまい、それをハードに乗っけるだけという傾向に似ている。

ビジネス・モデル:どうもあまりはっきりしない。Rpathのウエブサイトからはあまり詳細な情報はつかめない。彼らが製品としてあげている3つのうち、2つはオープンソースとして提供されている。残り1つに関してもライセンスの詳細などはない。1つのソフトだけで大きな収入が見込めるとは思えず、他のサイトでもビジネス・モデルがはっきりしないと指摘されていた。

3つの製品はrpathの根幹をなすConary、ウエブベースの全てのフロントエンドのrbuildそして、rpath版のLinuxディストリビューションであるrpath Linuxからなる。このうちrpath LinuxGPLライセンスで提供され、ConaryはCPLで提供される。

VCの資本が既に入っており、General Catalyst PartnersとNorth Bridge Venture Partnersが今年の1月にリーダーとなって、シリーズAで$6.4Mを投資している。

Rpathに対する最近のForbesの記事は、この試みはRedHat潰しだと報じている。その記事へコメントにもあるように、rpathのビジネスは始まったばかりであり、RedHatを脅かすところに至るまではまだかなり時間が掛かるであろう。またこれは、1つのことを効率よく成し遂げるアプライアンスにはこの方法は向くが、エンタプライズで複数のアプリを実行する場合はどうであろうか。その場合、1つのアイディアはサーバー上にVMwareやXenのような仮想化層を設けて、それぞれのVMに1つのアプリを実行するのであれば、rpathに複数のアプリを同時に管理できる機能をつければ、可能になるのではなかろうか。

どうも無理にバーチャリゼーションに話を持っていこうとするのは、良くないかとも思うが、無限とは言わないがバーチャリゼーションには大きな可能性がある。